第49回◆健康診断受診中の賃金について◆
企業の人事を担当しています。従業員に健康診断を実施していますが、受診している間の賃金はどのように取り扱うべきか、教えてください。
健康診断の種類は大きく2つあり、その種類によって賃金の取り扱いは異なります。
①一般健康診断
雇入れ時の健康診断や、1年以内ごとに1回、定期に実施する定期健康診断などは一般健康診断と呼ばれます。一般健康診断は、労働者の一般的な健康の確保をはかることを目的としており、業務遂行との関連において行われるものではないため、その受診に要した時間の賃金については労使で協議して定めるべきとされています。
当然に賃金を支払うべきとはされていませんが、労働者の健康確保は事業の円滑な運営に不可欠な要素であることを考えると、受診に要した時間に対しては賃金を支払うことが望ましいとされています。
②特殊健康診断
法定の有害業務に従事する労働者へ実施する義務がある健康診断は、特殊健康診断と呼ばれます。特殊健康診断は業務遂行のため当然に実施されなければならない性格のものであり、その実施に要する時間は労働時間と解されるので、賃金の支払いが必要になります。
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