第184回◆労働契約と就業規則どっちが優先?◆
人事担当者です。基本的な質問ですが、労働契約と就業規則がある場合、どちらの定めが優先されるのでしょうか。例えば、試用期間中の賃金について、契約書では時給1,000円、就業規則では、1,200円と記載されています。
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することで成立するとされています。(契約法第6条)
労働契約締結時の労働条件は、労働者と使用者の合意(労働契約)により決定されますが、次のような場合は就業規則に定める労働条件も労働契約の内容とすることが出来ます。
①合理的な労働条件が定められている就業規則であること。
②その就業規則を労働者に周知させていたこと。
では、①②を満たした就業規則と労働契約が存在する場合、どちらが優先されるのでしょうか。
労働契約において、就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分(契約法第12条の場合※を除く)については、個別の合意(労働契約)の内容が優先されるとしています。(労働契約法第7条)
※合意の内容が就業規則で定める基準に達しない場合のこと。
端的にいえば、個別に合意された労働条件が就業規則より有利な場合に限っては、個別の合意が優先されると言い換えられます。
では、これをご相談に当てはめてみると、契約書(個別に合意)に記された時給(1,000円)は就業規則に定める時給(1,200円)に達していません。
したがって、この場合は、就業規則に定める時給(1,200円)が適用されることになります。
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