第291回◆労働者性の判断基準について◆

◆労働者性の判断基準について◆

人事担当者です。労働者性の判断基準について教えてください。


労働者性について、個別の判断は多くの通達で示されていますが、統一的な判断基準に係る通達等は示されておりません。
これまでの裁判例等から、判断基準を取りまとめたものとして、労働基準法研究会報告があります。これは厚生労働省が「基準」として示したものではないのですが、考え方の参考として以下に概要をまとめます。

労働者の判断基準について(労働基準法研究会 昭和60年12月29日)
1、使用従属性に関する判断基準
(1)指揮命令下の労働について
・仕事の依頼、業務従事の指示等について、諾否の自由があるか
・業務の内容及び遂行方法について指揮命令を受けるか
・勤務場所、勤務時間が指定され、管理されているか
・本人に代わって他の者が業務を行うことができるか
(2)報酬は労働の対償であるか
2、判断の補強要素
(1)事業者性の有無
・著しく高価な機械等を所有しているか
・報酬の額が同様の業務を行う他の従業員に比して、著しく高価でないか
(2)専属性の程度
・他の業務に従事することが制度上制約されていないか
・報酬が生活保障的な要素はないか

労災保険の認定などにおける労働者性については上記のような要素が考慮されることになります。

※本文章は2022年2月に投稿しています。


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