はじめに

新型コロナウイルス感染症の影響により、従来の常識や価値観は大きく変化しています。

ソーシャルディスタンスという言葉が使われ、感染リスクを避けるため時差出勤をしたり、在宅勤務をし、オンラインで打ち合わせを行ったり、働き方に関しても確実に変わってきています。

こうした転換期に、実際に各企業が新型コロナウイルスでの労務管理をどのように対応していくのか、人事・労務のプロである社会保険労務士として、客観的な事実をもとに現状を把握することにしました。

そして、小林労務では「コロナ禍の労務管理に関する報告書」として、職員に各節を担当してもらい、社会保険労務士の見地から、様々な角度でコロナ禍での労務管理について論じていくことにしました。

本報告書が、人事・総務担当者をはじめ、関係者各位にとって、今後の労務管理の参考となれば幸いです。

また、限られた期間の中、この報告書に携われた各職員をはじめ御協力いただいた関係者各位に対して、改めて感謝の意を表す次第です。

令和2年9月

千鳥ヶ淵研究室 研究室統括責任者 小林 幸雄

第1章 第1節 在宅勤務の定義

第1章 在宅勤務

第1節 在宅勤務の定義

1、在宅勤務の定義、テレワークの定義

テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」(厚生労働省)をいう。テレワークは、ICTをつかって、所属する事務所のオフィス以外で勤務することを総称するものと言える。

テレワークには、主に次のような種類がある。

・在宅勤務
主に自宅で勤務するテレワーク 在宅勤務の導入目的によっては、従業員の実家なども自宅に準じた場所として扱われることがある。

・モバイルワーク(モバイル勤務)
移動先や移動中、顧客先、喫茶店など事業場外で勤務するテレワーク

・サテライトオフィス勤務
「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」といったオフィススタイルの小規模スペースで勤務するテレワーク

2、在宅の範囲

テレワークのうち在宅勤務については、在宅での働き方の範囲や、契約形態の範囲によって違いが見受けられる。ここでは、その違いを整理しておく。

・在宅勤務での働き方の範囲

在宅勤務には、終日在宅と部分在宅がある。

【終日在宅】
1日の労働時間すべてを在宅で勤務する形。会議やミーティング、顧客との商談についてもオンラインで行う。

【部分在宅】
1日の労働時間の一部を自宅で勤務し、他方、会議や商談については、外出し訪問することがある。

この他、常態として在宅勤務が前提となる就労と、利用回数に制限のある在宅勤務が見受けられるが、これらは在宅勤務の導入目的によって、使い分けがなされるものと考えられる。

・働き方契約形態の範囲

在宅勤務という働き方でも、その契約形態は複数存在する。例えば、雇用契約によるもの、業務委託などが考えられる。就労場所の違いはあるが、契約形態ごとに適用される法律を遵守する必要がある。特に雇用契約であれば、オフィスで勤務する場合と同様に労働時間の把握や、労働安全衛生管理などが求められる。

・在宅勤務導入時の心構え

在宅勤務の導入に際しては、予めその導入目的や求める効果を明確にし、目的に沿った設計を行い、導入後もその効果を分析しながら、効果的な制度に更新して行く必要がある。つまり、「在宅勤務を導入すること」が目的とならないようすることが重要な心構えである。

第1章 第2節 在宅勤務の導入プロセス

第2節 在宅勤務の導入プロセス

本節では、テレワークを導入するためのプロセスおよび、推進体制をどのように策定することが望ましいかについて述べることする。
テレワークの導入の大まかなプロセスとしては、次の通りである。なお、本節では「雇用型」契約形態を前提に解説する。

【テレワーク導入のプロセス】

      1. 導入の目的の明確化/基本方針の策定
      2. 推進体制の構築/社内の合意形成
      3. 対象業務の選定や業務分析
      4. 導入に向けた具体的ルールの策定
        (1)対象者の選定
        (2)形態
        (3)労務管理制度の見直し
        (4)システム・就労環境の整備
        (5)教育・研修等
      5. 試験的導入と推進のための評価と改善

1、テレワークの導入目的の目的の明確化、基本方針の策定

総務省の「平成29年通信利用動向調査」によると、テレワークの導入目的は、1位が勤務者の移動時間の短縮、2位が定型的業務の生産性の向上、3位が勤務者のゆとりと健康生活、4位が通勤弱者への対応といったものが上位にあげられる。コロナ禍の現在であれば、「感染予防のため」といった目的も考えられるであろう。

上記の導入目的が大半を占める結果となるが、実際に企業が導入の目的として設定した事項を実現化させるためには、企業の経営方針と目的が密接にリンクしていることが成功の基礎となるのではないか。そのため、テレワークの導入目的を経営トップ自らが従業員に明確にし、理解させることが望まれる。テレワーク導入の早期段階から、目的を社内で広く共有し、全社で関心と協力、理解を得られるように導入を進めることが成功の鍵といえよう。

2、推進体制の構築/社内の合意形成

テレワークの推進にあたっては、導入推進部門、いわゆるプロジェクトチームを結束し、一丸となって施策を推進することが重要である。参画部門は、経営企画部、人事・総務部、情報システム部門、導入対象部門など横断的な体制作りが望ましい。今後、導入の検討にあたり、セキュリティに関するルールの策定など部門を超えて議論する必要があるからである。なお、人事部門がいかに導入の必要性・重要性を主張しても、導入部門の責任者の協力・理解がないとテレワークの導入が難航することも予想されるため、当該プロジェクトチームの取りまとめ役、いわばリーダーには、導入部門のトップに努めてもらうことも最適である。

3、業務分析による現状業務の把握

プロジェクトチームが主体となり、現状の業務分析を行い、テレワーク導入の対象業務の整理を行う。この際、「業務」単位で整理を行うことが重要である。まず第一に、業務全体の「洗い出し」を行い、テレワークで実施しやすい業務と実施しにくい業務を整理することである。業務の「洗い出し」は、次に述べるような観点で行うことが考えられる。導入時にテレワークでできる業務を特定することは、導入後の普及拡大に向けた課題を明確にすることに繋がる。

①業務時間
業務にかかる時間はどれくらいか。

②使用する書類
どのような書類を利用しているか。その書類の媒体は、紙か電子ファイルか。

③システムやツール
テレワークでも実施可能なシステム・ツールが揃っているか、セキュリティ環境は万全か。

④個人情報の有無
業務上取扱う個人情報など、漏洩リスクの高い内容のものは含まれているか。

⑤コミュニケーション量
業務は何人で行うか、関係者とのやり取りの頻度はどれくらいか、テレビ会議システムにおいて対応可能か。

 

これらを分析したうえで、現状の業務を次の通り分類する。

①現状でテレワーク可能な業務
例:入力作業、データの修正・加工、資料の作成、企画など思考する業務

②対策次第では実施可能な業務
例:紙媒体での帳票を扱う業務、会議・打合せ・社外との調整が可能な業務

③実施困難な業務
例:物理的な操作を必要とするオペレーション業務

4、導入に向けた具体的ルールの策定

(1)対象者の選定

最終的には、テレワーク導入の目的に応じてテレワークの利用を希望するすべての従業員が、業務の種類にかかわらずテレワークを実施できることが理想である。新たにテレワークを導入する段階では、効果の検証がしやすいよう、また従業員・社内の理解も得られやすいという側面から、職種やライフステージ(育児を担う従業員等)などを踏まえて対象者を選定することも有効と考えられる。対象者の選定に当たっては、関係者の理解を得られるよう、明確な基準を設けることが重要であり、その基準については実施に条件を設けることで、その後のテレワーク推進が円滑に行われるきっかけとなる。特にライフステージに関係した利用ルールや対象者の制限を設ける場合、テレワーク対象者の利用ニーズと、企業がテレワークを導入する目的との均衡が重要となるため、まずは対象の従業員にニーズ調査を行うべきである。

なお、対象者を制限した場合でも、対象者が実際にテレワークを実施するかどうかは、本人の意思によることが望ましく、例えば、導入段階においては、対象者の基準を設けた上で「社内でテレワークを実施してみたい従業員を募る」という試みをしてみるのも一考である。この際、自立して職務を遂行できない従業員には在宅での勤務は困難という認識から、入社2年目までの社員は対象外とするなど、職階によって対象者を限定する場合もある。

(2)テレワークの形態

テレワーク形態は、第1節でも取り上げたように、①在宅勤務、②モバイルワーク、③サテライトオフィス勤務の3つにモデル類型化されており、いずれの働き方を導入するのか企業は決定しなければならない。本節においては、最も主流である①在宅勤務型を取り上げる。

在宅勤務型は、通勤時間を完全になくすことができる「週1~2日出社しないで行う終日在宅勤務」を示すことが多い。「顧客との打ち合わせ後に在宅勤務」「在宅勤務後に出社」など1日の一部の時間を使って行う部分在宅勤務は、通勤・移動時間を完全に削減することはかなわないが、無駄な移動を削減することができる効果が期待できる。終日在宅勤務のためのICT環境、セキュリティ、制度・ルールの整備を行うことができれば、当然に部分在宅勤務を行うことができ、働き方の選択肢が柔軟になる。

在宅勤務制度というと、多くの人は毎日在宅で仕事をすると想定しがちだが、日本の企業の場合は、週1日か2日の在宅勤務を導入している例も多くある。そのため、必ずしも毎日を在宅とせず、週のうち数日間を対象とするなど柔軟な方法で導入ができるから、試験的導入は行いやすいといえる。

(3)労務管理制度の見直しの必要性

テレワーク時には、従業員が通常の勤務と異なる環境で就業することになるため、労働時間の管理方法や、業務管理方法等労務管理について改めて確認し、ルールを決めておくことが必要である。労務管理には、始業・終業時刻の記録・報告を行う勤怠管理、業務時間中のプレゼンス管理(在席管理)、業務遂行状況を把握する業務管理の観点が含まれる。

ほとんどの企業の場合、試験的導入の段階では、労務管理制度を特に変えていないこともある。週に1日や2日の在宅勤務であれば外出や出張とさほど変わらないため、特段の支障がないからである。ただし、従業員の勤怠状況を管理するために、始業・終業のルールは試験導入時にも必要な内容として、始業・終業時にはメールや電話で上司に連絡をするなど具体的に取り決めることが必要である。

 

5、社内制度・ルールの整備

①テレワークの利用者登録方法

テレワークの利用者について、どのようなルールで利用者を募るのか、承認者は誰になるのかといった内容の整備があげられる。加えて、日常の利用申請の方法についても、1週間前までに申請・承認を得るのか、前日まででよいのか、など定めておくことが必要である。

②費用負担

自宅でテレワークを実施する場合に必要な通信費や光熱費、ICT機器などの費用負担については、あらかじめ労使で十分に話し合い、就業規則などに定めておくことが望ましい。企業によっては、インターネット環境などはほぼすべての家庭で導入していることから追加負担も発生していないとして補助を見送ることもある。音声通話については、携帯電話を会社で支給したり、個人宛ての請求を私的利用と会社利用に分けて請求するシステムを導入している例がある。ICT機器については、会社支給のもののほか、BYOD(Bring Your Own Device)で個人のPCをリモートアクセスで利用することもある。光熱費については、企業によって若干の違いあるものの、多くの場合は自己負担としている例が多いとされているが、在宅勤務の日数が多いという状況では、会社からの補助を検討する余地がある。通勤費については、テレワークの頻度によって検討すべきであり、週に3日以上在宅勤務するような場合は、定期代ではなく、都度実費として精算した方が通勤費用の実態が伴い合理的とする考えもある。また、文具、備品、宅配便等の費用については、通常企業に勤務している場合、文具消耗品については会社が購入した文具消耗品を使用することが多い。切手や宅配メール便等は事前に配布できるものはテレワーク実施者に渡しておき、会社宛の宅配便は着払いにするなどの対応ができる。やむを得ずテレワーク実施者が文具消耗品の購入や宅配メール便の料金を一時立て替えることも考えられるが、この際の精算方法等もルール化しておくことが必要となる。

③労働基準法の適用

在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務のいずれのテレワーク時においても労働基準法は適用される。そのため、労働条件の明示、労働時間の把握、業績評価・人事管理等の取扱い、社内教育の取扱いなど、必要であれば適宜規定の見直しなどが求められる。

A、労働条件の明示

 事業主は労働契約締結に際し、就業の場所を明示する必要がある(労働基準法施行規則5条2項)。そのため、例えば在宅勤務の場合には、就業場所として従業員の自宅を明示することが求められる。

B、労働時間の把握

 使用者は、労働時間を適正に管理するため、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録しなければならないとされている(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準・平成13.4.6基発第339号)。なお、通常の労働時間制、フレックスタイム制のほかに、一定の要件を満たせば事業場外みなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制も活用できる場合がある。

C、業績評価・人事管理等の取扱い

 業績評価や人事管理について、会社へ出社する従業員と異なる制度を用いるのであれば、変更の程度により不利益とされることも想定される。そのため、その取扱い内容を丁寧に説明しておく必要がある。また、就業規則の変更手続が必要となる(労働基準法89条2号)。

D、社内教育の取扱い

 在宅勤務等を行う労働者について、社内教育や研修制度に関する定めをする場合にも、当該事項について就業規則に規定する必要がある。

④システムの準備(セキュリティ面の担保など)・就労環境の整備

ア)システムの準備(セキュリティ面の担保など)

 セキュリティ管理については、リモートデスクトップ方式や仮想デスクトップ方式(VDI)、クラウドサービスなどを利用すれば、社外であってもセキュリティ面を確保した上で業務遂行することが期待できるとされている。また、コミュニケーションについてもテレビ会議システムやチャット、メールなどのICTを効果的に活用することで、社内にいるときと同様のコミュニケーション環境に近づけることも可能である。

 

イ)就労環境の整備

a)安全衛生対策
在宅勤務においては、就労場所が従業員の自宅ではあるが、作業環境が整備されることが望ましい。労働安全衛生法では、テレワークを行う労働者も含め、常時使用する労働者に対しては、雇入時の安全衛生教育の実施や雇入時及び定期の健康診断やその結果に基づく事後措置、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェック(常時50人以上の労働者を使用する事業場に義務付け)及び労働者の申出に応じた面接指導等が義務付けられている。そのため、健康上の相談をする窓口を設定することや、医師や保健師による保健指導を実施したりすることも一案である。

b)作業環境管理
在宅勤務の実施者はPCのディスプレイを見て仕事をすることが多い。そのため、労働者の心身の負担を軽減し、労働者がVDT作業を支障なく行うことができるよう支援するために事業者が講ずべき措置について示した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(平14.4.5基発第0405001 号)」に留意する必要がある。具体的には、事業者は、在宅勤務に当たって、作業面について必要な照度を確保すること、室内の採光や照明は明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によること、その他換気、温度や湿度の調整などを適切に実施することなどを労働者に対して周知し、必要な助言を行うことが望まれる。

c)健康管理
在宅勤務を行う場合でも、通常の労働者と同様に、労働者の健康を確保する必要がある。よって、健康診断の結果を踏まえた保健指導を実施することや、労働者に対する健康教育や健康相談、その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずること等が事業者の努力義務とされてることから、在宅勤務の労働者も含めた労働者の健康の保持増進のための積極的な取組を行うことが望まれる。

⑤教育・研修等

テレワークによって、より高い効果を得るためには、導入時の教育・研修が不可欠である。教育には、「社内の認識の共有を図るための啓発」と、「円滑に業務を実施するためのガイダンス」の2つの目的があるが、ここではテレワーク実施前のガイダンスとしての教育・研修における主なポイントを整理しておく。

ⅰ)テレワーク時の目的・必要性を理解する

ⅱ)テレワーク時の体制について理解する

ⅲ)テレワーク時のツールを操作できるようになる

 以上のように、なぜテレワークを実施するのか、その目的と必要性をテレワークの対象者だけでなく、従業員全員が理解することが重要である。そして組織全体でテレワークを有効活用して、業務の生産性を上げることが望まれる。

5,試験的導入と推進のための評価と改善

たいていの企業は、テレワークをいきなり導入するのではなく、試行導入した後本格的に導入する。試行導入時には、対象者や部門を絞って実施し、そのときに発生した様々な問題を解決して本格導入に至る。試行導入時に導入効果を計測する項目としては、次のようなものがあげられ、これらの項目を総合的に評価して本格導入の拡大範囲を決めることが重要である。

<項目例>

①定量評価項目
顧客対応、情報処理力、オフィスコスト、移動コスト、ICTコスト、人材確保・維持

②定性評価項目
業務改革、顧客満足度、従業員満足度、コミュニケーションの質、ワークの質、生活の質、全体評価

 

 

第1章 第3節 会社から見るテレワークのメリットとデメリット

第3節 会社から見るテレワークのメリットとデメリット

1、テレワーク勤務の事例紹介

総務省では、平成27年度より、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」としており、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表している。平成28年度より、その中から特に優れた取り組みを行っている企業・団体を「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」として公表している。

以下にその取組事例と主な効果を記載する。

【事例1】

企業名:アフラック生命保険株式会社

業種・従業員数:金融業 5,287人

[主な取組]

・全部門・全社員が事前事後の申請・報告なくテレワーク可能 (実施回数・時間に制限なし)

・TV 会議システムの完備、在宅勤務用のシンクライアント端末配布等の ICT ツール整備により場所を選ばず社内と同様の業務遂行できる環境を整備

・分身ロボット「OriHime」を導入、地方勤務社員がテレワーク活用で本社の業務や研修に参加

[主な効果]

・1人当たり時間外労働時間 -2.9時間 (2017年→2018年の推移)

・短時間勤務社員のフルタイム化 (2015年度:53.4%→2018年度:38.4%)

【事例2】

企業名:明豊ファシリティワークス株式会社

業種・従業員数:建設業 229人

[主な取組]

・自社開発システムにより、個人の業務行動を時間単位で把握し、各社員の生産性を定量化

・テレワーク投資への経営判断が容易になったことで、テレワーク環境の整備・改善を加速

・地方自治体から発注者支援業務を受託し、プロジェクトの効率的管理を実現すると同時に、自治体でのテレワーク環境創出を支援

[主な効果]

・1人当たり月平均残業時間 -27 時間 (2012年→2018年の推移)

・時間あたり売上粗利 1.56 倍 (2012 年 → 2018 年の推移)

→ 生産性向上による時間外手当支給実費減少分を給与・賞与で還元

(令和元年度 テレワーク先駆者百選 総務大臣賞 受賞より引用)

2、得られるメリット

時間と場所を有効に活用できるテレワークは、企業及び従業員に様々なメリットがあることが報告されている。上述した ① の「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞した企業の主な効果を確認すると「1人当たりの残業時間の削減」や「生産性の向上」といった効果があることが確認できる。

そのほか企業が恩恵を受けている点として「人材の確保・育成」「業務プロセスの革新」「事業運営コストの削減」「非常時の事業継続性の確保」「企業内外の連携強化による事業競争力の向上」「人材の離職抑制・就労継続支援」「企業ブランド・企業イメージの向上」が挙げられることが報告されている。(テレワークではじめる働き方改革 テレワークの導入・運用ガイドブック(2016)より引用)

企業のテレワークの導入を検討理由に対する動向調査では「勤務者の異動時間の短縮」が導入目的として割合がもっとも高かった。また、同調査で回答率が高かった項目として「通勤弱者への対応」「優秀な人材の雇用確保」が挙げられる。これは従業員の雇用継続のために、テレワークを導入する企業が増加していることを示しているものであると報告されている。(総務省「通信利用動向調査」(各年)より引用)

3、テレワークにおける安全配慮義務と労働災害

使用者は労働安全衛生法に基づき、労働者の健康状態を把握し、その内容・程度等に応じて、作業の転換や内容の軽減措置等を講じることが、健康・安全配慮義務の履行として求められる。安全配慮義務とは使用者が従業員に負う雇用契約上の義務であり、災害発生を未然に防止するため、物的・人的管理を尽くす義務である。この義務はテレワークを行う従業員に対しても、事業場における勤務と同様に労働災害に対する補償責任を負うこととなる。

すなわち、テレワーク勤務中であっても事故や怪我等に見舞われた場合には労働災害に対する補償責任を負うこととなる。実際にテレワークで労災が認定された事例を以下に記載する。

【事例】

自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した事案。業務に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害として認定された。

(厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」より引用)

以上の内容から、私的行為等の業務以外が原因である災害以外は労災保険給付の対象となることが考えられる。

つまり、テレワーク勤務中特に在宅勤務中であっても労働安全衛生法に定める、作業環境を整えていない場合には安全配慮義務違反として、その責任から逃れることはできないことが示唆される。