第11回◆リハビリ勤務は労災保険が適用される?◆

第11回◆リハビリ勤務は労災保険が適用される?◆

 人事担当者です。休職中の従業員から復職の申し出があり、主治医、産業医等の意見聴取の結果、復職を認めることとなりました。ただ、復帰まもなくフルタイムでの勤務は、健康状態に負担をかけることに繋がると判断し、一定の期間は、リハビリ勤務として、週5日5時間程度の勤務を求める予定です。そこで、リハビリ勤務中や通勤途上で事故にあった場合、労災保険の適用は認められるのでしょうか。 

 

 


労災保険は、業務災害(労働者の業務上の負傷や、疾病、障害や死亡)や通勤災害(労働者の通勤による負傷や疾病、障害や死亡)に対して保険給付を行います。

 業務災害と認められるためには、その災害が、事業主の支配下にあり(これを業務遂行性といいます)、業務に起因して発生した(これを業務起因性といいます)ものであることが求められます。

 今回のリハビリ勤務は、すでに復職が認められ、労働時間は従前より短いものの会社や上司の指揮監督の下に、業務に従事することになりますから、万が一就業中に、災害が発生した場合は業務災害としての要件を満たす可能性が高いと言えそうです。

 同様の制度にリハビリ出勤制度というものがあります、この制度は、復職の判断をするための要素として、復職前の一定の期間に、出勤することを求める制度です。

 出勤後は業務に従事するのではなく、読書するなど、業務の指示は一切行わないことが通例です。また就労を伴わないため賃金も支払われません。このようなリハビリ出勤制度で会社に出勤した場合は、業務災害としての要件である、業務遂行性や業務遂行性は認められ難く、労災保険の適用を受けることは難しいでしょう。


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第10回◆復職できなかった従業員、退職届の提出を求めるべき?◆

第10回◆復職できなかった従業員、退職届の提出を求めるべき?◆

人事担当者です。復職できず休職期間の満了を迎えた従業員から退職届の提出をしてもらう必要はありますか?当社の休職制度では、復職できずに休職期間の満了を迎えると退職となる定めが設けられています。  

 

 


 休職期間中に傷病が治癒しなかった場合、就業規則(休職制度)の定めに従い、退職することになります。この場合、休職期間の満了という事実が発生したことで、当然に退職することになるため、退職届の提出を求める必要はありません。



 

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第9回◆休職中の従業員の家族から退職届が。受領していいの?◆

第9回◆休職中の従業員の家族から退職届が。受領していいの?◆  

人事担当者です。休職中の従業員の家族から、退職届を提出されました。この退職届を受理し、退職手続きを進めても良いでしょうか。 

 

 


 退職届は、労働者自身が行う退職の意思表示として提出されるものです。従業員の家族といえど、本人の意思で退職届が作成されたとは限りません。本人は退職を反対しているかもしれません。したがって、家族からの退職届の提出があったからといって退職扱いをするのではなく、必ず本人に直接に確認をとりましょう。その上で、本人の意思にしたがって対応することにしましょう。



 

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第8回◆出向中の従業員にはどちらの休職制度が適用される?◆

第8回◆出向中の従業員にはどちらの休職制度が適用される?◆

企業の人事担当です。当社から関連グループ企業に在籍出向中の従業員が、私傷病による休職をすることになりました。この場合、当社の休職制度と関連グループ企業の休職制度のどちらを適用させれば良いでしょうか。

 

 


 出向とは、労働者が出向元との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら、出向先の指揮命令の下に労働することをいいます。出向時の就業規則の適用は、出向契約書中で定めることが一般的です。休職制度の取り扱いについても同様で、契約書の定めにより、出向先もしくは出向元の休職制度の適用を受けることになります。では仮に、契約書中に休職に関する取り決めがない場合はどうすればよいでしょうか。
 出向契約の目的は各企業によって異なりますが、要約すればその目的は出向先で労務の提供を行うことにあります。しかし、休職制度の適用を受けた従業員は、労務の提供を行うことが出来ません。結果、出向契約の目的が果たせないことになります。したがって、このような場合には、出向先との協議の上、一旦、出向を解消し、出向元に復帰させ、その上で出向元の就業規則(休職制度)に従い、休職を実施することが、もっとも実務的な取り扱いと言えるでしょう。
 なお出向契約上は、出向元に自動的に復帰する旨の定めをしておくと有効でしょう。



 

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