第362回◆時間単位の年次有給休暇について◆

◆時間単位の年次有給休暇について◆

人事担当者です。
従業員から、「友人の会社では時間単位で有給を取ることを認めている
ようなのですが、うちもできるのですか?」と質問を受けました。
年次有給休暇を時間単位で取得できる制度があることは知っていましたが、
詳しいところはあいまいです。
具体的な運用上の注意点について教えてください。


運用として、次の点にご注意ください。
①時間単位年休を利用できる時間帯を制限できない。
労使協定等で、時間単位年休を利用できる時間帯を制限することはできません。
例えば、遅刻や早退を時間単位年休によって充当するようなことを避けるため、
『始業時刻直後や終業時刻直前の1時間は、時間単位年休を認めない』
といったルールは認められないということです。

②時間単位年休制度があるからといって時間単位で年次有給休暇を取得する
ことが義務ではないこと。
時間単位年休制度があるからといって、必ずしも時間単位で年次有給休暇を
取得する義務はありません。労働者本人の判断により日単位、
時間単位での利用が可能です。
また、日単位で申し出られた年次有給休暇を時間単位に変更することは
時季変更には該当しないため、認められません。

③時間単位年休を利用できる日数は、『次年度繰り越した分を含めて』最大で
5日間分であること。
時間単位年休として利用できる年次有給休暇の日数は、
最大で5日とされています。
この5日には、前年度の未消化分を繰り越した分も含まれるので、
注意が必要です。

※本文章は2023年6月に寄稿しています。


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