第371回◆年次有給休暇の付与について◆

◆年次有給休暇の付与について◆

Q 企業の人事総務部のものです。先日、ある社員が体調不良のため仕事を休むと連絡がありました。その際、弊社の通例通り該当日について年次有給休暇(以下有給と表記する)を取得したことにしておく旨を伝えたのですが、社員から拒まれました。
この場合、通例通り有給を取得したことにしてしまって問題ないのでしょうか。


A 労働基準法において有給は労働者本人が希望する時季に付与する事が義務付けられています(労基法第39条の5)。従って、欠勤時に当人の希望を聴かずに自動的・優先的に有給を取得したことにすることは認められません。
また、年5日の有給付与義務措置に関しては労働者の意見を聴取し、その意見をできるだけ尊重した時季をあらかじめ指定すべき主旨のもので、病欠のように不確実・突発的な欠勤の際に充てるべきものではない事に留意する必要があります。

厚生労働省 労働基準関係リーフレット『年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています』
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

※本文章は2023年9月に寄稿しています。


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